どもー!シゲルでーすっ!
このサイトは高音発声(特にミックスボイス)について色々と情報提供していますよぉ!!
記事に関しては【茂解説】と【一般説】の2種類があり、コンセプトがちょこ〜っと違います。
【一般説】この世の中に発信された様々な情報から、信憑性の高い物を集約して記事にしていただいたというパターン。【茂解説】シゲルの経験から思ったことを好き放題言いまくるといったパターン。といった感じになっております。
どちらも面白いので是非ご覧くださーい!
「憧れのあのアーティストのようなカッコいい高音発声(ミックスボイス)ができるようになりたいな・・・。」
近年の高音ボイスのアーティストの楽曲を聴きながら、ただ星空に願い事をつぶやいているだけになっていませんか?
残念ながら、キラキラ輝く温厚な流れ星さんでさえ、努力をしていない人の願い事には困り顔。
そんな流れ星さんからの苦言も届かぬまま、ただ願い続けているばかりでは時間が勿体無いですよね。
高音域自体は出せていてもすぐに喉を痛めてしまったり、自分の望み通りのカッコいい高音が出せていないのが悩みのタネ。
更にはミックスボイスの習得が至難の技であるという事実も薄々感づいていらっしゃる方が多いかと思います。
ならば、すでに多くの人類が習得できている息漏れと難易度が高いミックスボイスを掛け合わせる事ができれば、ミックスボイス習得へのハードルも下がるのではないか?という発想に至ったのです。
果たしてこのひらめきは大当たりか、大ハズレか。世紀の大実験を一緒に始めましょう。
息漏れってどういう状態?
「ホッとした〜」という状態をやや大げさに演技してみてください。緊張の糸がほぐれて、「ふぅ。」と口から息を漏らして姿勢を崩した方が大半かと思います。
まさにその開放感のあるリラックスした状態の息の使い方が「息漏れ」です。
関連記事:[一般説]ミックスボイスとファルセットの違いは?高音発声を調査!
ろうそくの火を消してみよう
目の前に、ろうそくに火が灯ったケーキがあるとします。さぁ、息を吹きかけてろうそくを消してみましょう。まずは、暖かい息を吐くイメージでゆっくりと。
息の速度が弱くて、ろうそくに届く前に息が空気中にかき消されてしまったようですね。では今度は口をすぼめて、息に鋭さを持たせてもう一度やってみてください。
声帯に変化は?
口元を変化させたことで息の速度が速くなり、ろうそくの火を消すことができましたね。ではその時、口の中の形や声帯に変化はあったでしょうか?
実は口の中や唇の形が変わったとしても、声を出さずに息漏れだけしている時は声帯の形に変化はないのです。一体どういうことなのでしょうか。
声帯は、その器官の存在だけで声が出るわけではなく、空気の振動によって声帯が震える事で初めて声となります。
声帯が震えてない状態で空気が通っているということは声帯がしっかり開いて、震える余地がない状態と言えるのです。
関連記事:[一般説]ミックスボイスで声帯閉鎖するって何?高音発声を調査!
ミックスボイスVS息漏れ3本勝負
ミックスボイスの良さを維持したまま息漏れができるのか、3本勝負で徹底的に比較してみましょう。
ディフェンディングチャンピオンの絶対的王者ミックスボイスに、期待のルーキー息漏れがここぞとばかりに勝負を仕掛けていきますよ。
具体的なルールは以下の通りです。
- 声帯の開き方
- 音域の広さ
- 声色の聞こえ方と声量
ミックスボイスと共通する内容があれば息漏れの勝利
ミックスボイスと相反する内容であればミックスボイスの勝利
ミックスボイスの特徴
- 声帯閉鎖率が高めの状態
- 安定感・芯のある発声
- 中低音から高音まで声色が変わらない
関連記事:[一般説]ミックスボイスで声帯閉鎖するって何?高音発声を調査!
声帯の開き方
3本勝負の1本目。まずは「声帯の開き方」を比較していきます。
【先攻 ミックスボイス】
声帯が閉じている
【後攻 息漏れ】
声帯が開いている
音域の広さ
3本勝負の2本目は「音域の広さ」対決。息漏れも負けてばかりではいられないですね。
「音域って何?」と感じた方はこちらの記事の後半をチェックしてみてください。
関連記事:[一般説]歌の意外な練習方法!音程あわせのコツと響く歌声を手に入れる!
【先攻 ミックスボイス】
中低音から高音域まで発声が可能
【後攻 息漏れ】
中低音は苦手、高音域は発声が可能
声色の聞こえ方と声量
いよいよ最後の勝負「声色の聞こえ方」対決です。
【先攻 ミックスボイス】
芯があって大きい
【後攻 息漏れ】
柔らかくて小さい
録音した波形を比較
泣きの1回、ミックスボイスと息漏れのある発声を波形で比較します。
とある女性にご協力いただき、マイクの位置や姿勢も全く同じ条件でソプラノの音域に相当する「高いミ」の歌声をそれぞれの発声方法で録音してもらいました。縦軸が音量、横軸が時間です。
【上段 ミックスボイス】
波形が大きく、鋭さがある
【下段 息漏れ】
波形が小さく、曲線が多い
上段のミックスボイスの波形を見た後に息漏れの波形を見てみると全く別物であることがわかります。
勝負の結果とその理由は?
3本勝負のつもりが4本勝負になってしまいましたが、勝負の結果は息漏れの健闘も虚しく、ミックスボイスの圧倒的勝利となりました。
つまり、ミックスボイスと息漏れを両立することは不可能で、「ミックスボイスで高音発声をしている時に息漏れをすることは厳禁である」ということがここに立証されたのです。
曲中で歌い方が変わってしまう
世間に出回る楽曲の中には、あえて歌い方の差を生かした楽曲も存在します。プロのアーティストのように自分の声色を自由自在に操れたらとてもかっこいいですよね。
しかし激しい曲調の一番盛り上がる場面という自分が意図しないタイミングで息漏れ感のあるふんわりした声色に変化してしまっては、その場の雰囲気が台無し。
基本的には声色が変わらないで高音まで出せることが望ましいのです。
声量がかなり必要
例えば、海水浴やプールで大活躍する浮き輪を膨らませてみましょう。口元と浮き輪の弁の間に隙間ができないようにしっかり確認したり、空気が漏れている音が鳴らないように角度を調節しながら息を吹き込むと思います。
なぜでしょうか?空気の注入口がズレていたらなかなか膨らまないからですよね。
息漏れした分声量が失われているので、本来歌に必要な分の声量をさらにカバーする必要があるのです。
関連記事:[一般説]ミックスボイスとファルセットの違いは?高音発声を調査!
高音で息漏れする原因は?
根本的な息漏れの原因は何が考えられるでしょうか。様々な視点から見ていきましょう。
声帯の筋力不足
歌の初心者によくある光景が、高音になると苦しくなったり、声がひっくり返ってしまう現象。こうなってしまう原因の一つに、声帯の筋力不足があります。
- 声帯閉鎖に必要以上の労力がいる
- 声帯の形を維持できず楽な形に変わってしまう
声帯の筋力が少ないと、高音に差し掛かっても声帯閉鎖した状態を維持するために無理な力が入ってしまいます。
例えば大きな荷物を運ぼうとした時、一般人と引越し業者の方を比較すると、筋力がある引越し業者の方の方が楽々持ち運べますよね。一般人は荷物を目的地まで持って行く前に体力を使い果たしてギブアップしてしまいます。
同じ荷物でもこのような差が出るのは筋肉量の違い。声帯も同じで、筋力がしっかりついていなければ当然スタミナ切れも早いのです。
また声帯閉鎖の形を維持できないことも、筋力不足が原因。
声帯の形が省エネモードになり、初心者でも高音が楽に出しやすい筋力を必要としない形に変わってしまうことで息漏れした発声になるのです。
関連記事:[一般説]ミックスボイスで声帯閉鎖するって何?高音発声を調査!
声量が少ない
ひそひそ内緒の話をしたり、ささやき声の時には声量が小さくなりますよね。つまり大きな声で歌うには不向きな発声方法なのです。
千葉県にローカルミュージシャン兼タレントとして活動しているジャガーさん(別名:キース・ジャガー)という方がいます。
バンドサウンド風の打ち込み音源(音をプログラミングした状態)を鳴らしながら歌っているのですが、実際ライブで聴いたらきっと歌声もバックサウンドもとても音量が小さいでしょう。なぜなら、声量が無いのに息漏れが多い歌い方をしているから。
ただ、彼の独特なキャラクターの世界観を保つことができているのはこの息漏れの多い歌い方のおかげでもあるので「ジャガーさんの歌い方は悪い例ですよ。」とは一概には言い切れないのです。不思議ですよね。
体が歌う状態になっていない
歌は口や喉で歌うのではなく全身で歌うものです。ストレッチや発声練習をして体をあたためて筋肉をほぐし、のびのび歌える状態をつくりましょう。
色っぽく歌っているつもりが…
プロの歌手のようなカッコいい歌い方を意識して「自分も同じように歌ってみよう」と真似してみる方も多いかと思います。
例えば八代亜紀さんの「舟唄」の場合、歌詞の抑揚に合わせてコブシを入れたり、女性らしさと男前さを融合させたようなカッコいい歌い方ですよね。
しかし、一般人が彼女のような歌い方を真似て「プロの歌い方を上手に真似られた〜。」と思っていても、実際はただ吐息交じりにカッコつけて歌っているだけ、という可能性も大いにあるのです。
自分の歌声を見て見ぬ振りをせずに、録音してきちんと聞き直して改善点を見つけていきましょうね。
まとめ
いかがでしたか?いろいろ検証してみましたが、ミックスボイスと息漏れは両立できないため、「ミックスボイスを意識した高音発声では息漏れ厳禁であると断言できる」事が見えてきたかと思います。
ただ「歌う時に息漏れするのは絶対に良くない事」というわけではなく、柔らかい雰囲気を表現したい時などには十分通用する歌唱法の一つである事も頭の隅に入れておきましょうね。