[一般説]ミックスボイスとファルセットの違いは?高音発声を調査!

どもー！シゲルでーすっ！

このサイトは高音発声(特にミックスボイス)について色々と情報提供していますよぉ!!

記事に関しては【茂解説】と【一般説】の２種類があり、コンセプトがちょこ〜っと違います。

【一般説】

この世の中に発信された様々な情報から、信憑性の高い物を集約して記事にしていただいたというパターン。

【茂解説】

シゲルの経験から思ったことを好き放題言いまくるといったパターン。

といった感じになっております。

どちらも面白いので是非ご覧くださーい！

皆さんは「高音域の声」と聞いて、どんな声色を想像しますか？

柔らかい声、キーンとした声・・・いろんなパターンの声色が想像できると思いますが、実は今思い浮かんだその高音域の声は全て裏声の一種なんです。

今回はその裏声の一種から、ミックスボイスとファルセットの違いに焦点を当てて徹底解説していきたいと思います。

どちらの高音発声もできるようになれば、自分の歌声をお披露目する曲のレパートリーも格段に増えるはずですよ。

何となくは知っていても、その知識が合っているのかもよくわからないわ。

具体的な違いが分かれば何か見えてくるかもしれないよ。一緒に調べていこう。

それぞれの特徴と歌手を比較

ミックスボイスとファルセットはどちらも高音が出せる裏声に該当する発声方法であることは冒頭でお伝えしましたが、では一体何が違うのでしょうか。

まずは２つの裏声の基本から大まかに比較してみましょう。

いきなり具体的な話をして置いてけぼりになっちゃうといけないから、まずは基本を押さえていこうね。

おさらいも兼ねて、知識の足並みを揃える作戦ね。

ミックスボイスの特徴と主な歌手

アーティストを書き連ねておきながら申し訳ないんだけど・・・ほとんどの現代アーティストの楽曲はハリのある高音も多いから、ミックスボイス無しには歌えないのが現状なんだよね・・・。

えーっ。じゃあファルセットは最近の歌では使われないって事？

いやいや、ちゃんとファルセットも歌唱法として必要だよ。比較してみよう。

ファルセットの特徴と主な歌手

ミックスボイスもファルセットも、高音域が出せる発声方法なのにこんなに違いがあるなんて・・・特に声帯に関してはまったく正反対の状態でびっくりね。

囁いてるような優しい声で表現できるのがファルセット。こちらも歌に必要である事がおわかりいただけたかな？

うん。でも私、高い声で歌おうとするとふわふわした歌い方になりやすくて・・・だから、ミックスボイスもかなり魅力的に思えるの。

そうかそうか。じゃあ今度は、これらの特徴によって起きるそれぞれのメリットとデメリットを、いろんな角度から具体的に確認していくよ。

ミックスボイスのメリット

わぁ、できるようになったらいいなーと思う項目ばっかり・・・やっぱりミックスボイスってすごいわ。

そうでしょう。あやめちゃんもぜひできるようになってほしいから、一つ一つ丁寧に見ていこうね。

広範囲を安定して発声できる

高音に向かって発声していて、突然声色が変わってしまった経験はありませんか？

この切り替わった部分はブレイクポイントと呼ばれていて、地声と裏声の段差がくっきりわかってしまっている状態です。なんとかしたいと思いますよね？

段差が生じる原因は声帯にあるんです。中低音の地声の状態では声帯閉鎖を頑張って維持していますが、高音に向かうにつれて維持するのが苦しくなり、意図しないタイミングで突然にパカっと声帯が開いてしまう事で声色が変わってしまうのです。

この声帯の突然変異を無くすためには、声帯の状態をキープできる歌い方であるミックスボイスが必要になってきます。

地上から最上階までスイスイ動く高層マンションのエレベーターのように、自分の意思で滑らかに音程コントロールができるのはとても魅力的ですよね。

トロンボーンやスライドホイッスルのような「スライド操作で音程を変える楽器」をイメージしながら声を出してみると、段差の位置がわかりやすいよ。

トロンボーンって、あの、「ぱおーん」って鳴る楽器？新幹線や速い車が通過した時のような音も出せる、肩に乗せて吹くあのラッパの事？

・・・きっとそうだと思うよ。（ぱおーんって何だ？）

歌詞が聞き取りやすい

ハリのある歌声と声量があることで、ギターやドラムのシンバルなど鋭い音が飛び交うバンドサウンドにも埋もれずに歌うことができます。

リードボーカルとしてステージのセンターで映える歌声を披露できるのはこのミックスボイスのおかげ。

また元々歌詞がない「インストゥルメンタル（通称：インスト）」と呼ばれる曲と違って、歌詞が入っている「歌モノ」と言われる曲には音楽に「言葉」が乗っています。

凜とした強い発声できちんと歌詞を聞き手に届けることができるのは嬉しいポイントですね。

たまに何を言っているのかわからないごにゃごにゃした歌い方する人もいるけど、私としては、ちゃんと歌詞を聞きたいなって思っちゃうな。

声を歌詞ではなく「音」として捉えるとそれもアリかもしれないけど、その場で聞いてみないとなんとも言えないね。

そうなんだ・・・歌声を音として捉えて歌う考え方もあるなんて、歌って奥が深いなぁ。

のどへ負荷がかかりにくい

腹式呼吸でお腹から声を出すのは歌うときの基本ですが、ミックスボイスでは喉だけでなく鼻腔を響かせることで喉への負担を軽減させることができます。

ただ、ミックスボイスだからと言って喉をまったく使わなくなるわけではありません。歌いすぎには注意して喉のケアもしっかり行いましょう。

ほかにもミックスボイスを習得する事でできることはいっぱいあるんだ。こちらの記事では実在するアーティストの魅力と合わせて紹介しているよ。

関連記事：[一般説]歌い手ぐるたみんはミックスボイスを使ってる?その魅力を徹底解説!

ミックスボイス、私もできるようになりたいな～。ねぇ、サクッと教えてよ。

残念ながら、そんなスナック菓子のような軽さで習得できるほど簡単じゃないんだよ・・・ミックスボイスのデメリットをこれから見ていくよ。

ミックスボイスのデメリット

むむ・・・さすが、素人が簡単には入れない聖域って雰囲気がビシビシと伝わってくるわね。

歌で生計を立てている人が生活できなくなってしまうから、若干仕方がない部分ではあるのかもしれないね。

じゃあ才能がある人しかミックスボイスができないってこと？

大丈夫。突破口は必ずあるよ。デメリットを確認して、習得の糸口を見つけてみよう。

定義が曖昧

ミックスボイスは学術的な定義が存在しません。そのため「ミックスボイスって何？」とプロのシンガーに聞いても混乱されてしまうほど、ミックスボイスについては多くの情報が飛び交っています。

また、ミックスボイスについて説明している記事を見ても、初心者にはどれも難しく思えて敬遠してしまいがち。

せっかくのやる気が「難しい」を理由にゴミ箱行きだなんて悲しいよ・・・。

あやめちゃん諦めないで。ここの記事で初心者向けにわかりやすくまとめてあるからぜひチャレンジしてみて。

関連記事：[一般説]ミックスボイスのコツは?初心者にも出来る?高音発声を調査!

習得まで時間と労力が必要

習得できれば良い事だらけのミックスボイスですが、最大の難点は習得までに時間と労力がかかり、長期間停滞期が続くダイエットをするような根気が必要である事。

また、ミックスボイス習得に向けて特訓を始める前に解決しておかなくてはいけないことが３点あります。

これらを把握できて初めてミックスボイスを習得するための特訓のスタートラインに立てた、とお考えください。・・・かなりハードルが高いと思いませんか？

どれも一朝一夕ではマスターできないですし、自己流の間違えた練習方法で続けていると喉を痛めるリスクもあるのです。

長い期間の練習が必要なのに、自己流でやってしまうと危険な事もあるなんて、想像を絶するいばらの道のりね・・・。

そんな時に助けてくれるのがこのサイト。どの記事も素晴らしいけど、より詳しく書いてある記事をピックアップしたから見てみてね。

関連記事：[一般説]声の大きさは関係ない!?歌上達に必須のポイント5つご紹介!

関連記事：[一般説]ミックスボイスで声帯閉鎖するって何?高音発声を調査!

関連記事：[一般説]高音を楽に出せるような練習方法は?ミックスボイス発声調査!

ファルセットのメリット

最初の方で比較した時はあまりピンときてなかったけど、意外と良いことがいっぱいあるわね。

あやめちゃんが言っていた、高い声を出した時ふんわりした歌い方になるのはきっとファルセットになっているからだね。

初心者でも高音域を楽に出せる

実はこのファルセット、胸式呼吸や小声でも出せます。意外ですよね。

熱などにうなされて苦しい時「はぁはぁ」と、いつもより回数多く小刻みに息を吐くことがあると思います。

この状態は胸式呼吸になっていて、声を発してみると息漏れの多いか弱い発声になることがお分かりいただけるかと思います。

つまり、病に苦しんで体力が落ちている状態でも出すことができる消費エネルギーの少ない発声方法でもあるのです。

初心者でも高音域が楽に出せる手軽さから、カラオケなどで高音域を出さないと歌えない場面になった時にはとっさにファルセットが出る傾向にあります。

私の高音発声の状態はまさにこれね。って、初心者感丸出しで恥ずかしい・・・。

まぁまぁ、まだ若いんだし、生き急がずにじっくり歌を勉強していけばいいんだよ。

合唱に向いた発声

ファルセットは響きが重視される歌唱法で、大勢で歌う合唱・ゴスペルなどで特に活躍します。

学生時代、クラス対抗の合唱祭の練習で音楽の先生から「喉を開いて歌いましょう。」と言われた記憶はないでしょうか？

喉を開くイメージで口を開くと声帯が開きます。この状態で歌うのがいわゆるファルセット。音楽の先生は遠回しに「ファルセットで歌ってね。」と生徒に指示をしていたのです。

ふんわりした歌声を出すことができるファルセットを重ねる様子を例えるならばまるで声のオーケストラのよう。

いろんな声が一斉に響き合うことで平凡な足し算では表現できない素敵な音楽が生まれます。

確かに必修科目でなんとなく授業を受けている生徒に「声帯を開いて」と言っても、何の事だかサッパリわからないもんね。

僕は学生の頃、水泳の平泳ぎが苦手でね。体育の先生に相談したら「カエルだと思って泳げ」って言われたんだ。

体育の先生の言いたいことはわからないでもないけど、なんだか雑な教え方だね・・・。で、泳げるようになったの？

ううん。ご覧の通り、肉付きの良さのわりによく沈むカナヅチの出来上がりさ。

吐息には癒し効果がある

ファルセット特有の吐息が混じった歌声には癒し効果があり、癒しを重視したヒーリングサウンド系のアルバムにはファルセットを用いた楽曲もよく使用されています。

人がリラックスする様子を「一息つく」と言いますよね。息をゆっくり吐くことで脳がリラックスし副交感神経を高めてくれる効果があるのです。

これは医学的にも証明されていて、呼吸器科を専門とする池袋大谷クリニック院長の大谷義夫先生もひっそり取り入れている自律神経の整え方の一つなんだとか。

ちなみにセクシーな声色でお馴染みの福山雅治さんも歌にまつわるインタビューで「歌は、喉だけでなく呼吸で歌うもの」といった趣旨のコメントをしていたそうです。

息が混じった歌声には癒し効果があるなんて、知らなかったなぁ。

エレキギターなどの電子系楽器の場合はエフェクターを使って音に変化を加えることができるけど、ファルセットの優しい吐息もまるでエフェクターのようだね。

癒し効果があるならみんなこの歌い方で歌えばきっと世界が平和になるよね。

急にスケールの大きな話になったね・・・。でもこのファルセット、良い事ばかりじゃないんだ。

ファルセットのデメリット

あらら。魅力の一つである音の柔らかさが主な要因って感じね。

オペラ歌手レベルの肺活量があればクリアできる内容だったとしても、一般人には難しいかもね。各項目の理由を見てみよう。

音程がやや不安定

さぁさぁみなさんお待ちかね、クイズタイムですよー。

よっ、待ってまし・・・た？（突然のことすぎて、勢いで言っちゃったよ。）

あなたは今、スマホで被写体を撮影しようとしています。手元がブレることなくよりキレイに撮影できる撮影方法はどちらでしょうか。次の二択からお答えください。

えーっと・・・体の軸に近いほうがいい気がするから、１番かな？

すごい！あやめちゃん大正解だよ。ご褒美はこちら、イカの塩辛でーす。

・・・クイズよりも、ご褒美が塩辛に至った理由の方が難解なんですけど。

響きを重視するファルセットの状態は、いわば空気で声を支えている状態。

不安定な土台に声を乗せているので、自分の意図しない箇所で音程が揺れてしまうこともよくあります。

また声帯が閉じている時に比べて、開いているファルセットの時の方が不安定になるのです。

脇を締めてスマホで撮影する時と同じように、声帯を閉じる事で発声の軸となる声帯の空間をなるべく減らし、安定した発声が実現できると言えるでしょう。

空気で声を支えるためには、かなりの量の空気がないと音が安定しないってこと？

そういうこと。息の量をしっかり保ったり、体幹も鍛えないと音程が揺れやすいよ。

声量が落ちやすい

ファルセットの特徴の一つである息漏れですが、この息漏れが多い分発声に使われる声量が失われていきます。

声量が目減りしてしまうとデュエットやバンドサウンドで歌声が埋もれたり、歌詞が聞き取りにくい一因になってしまうのです。

たとえマイクを使って歌ったとしても息漏れによって減ってしまった声量を音響操作だけで補うのはどうしても限界があります。

曲中に地声で歌ったり観客に語りかけたりする時だけマイクの音量を調節すれば済むと思いがちですが、急にハリのあるシャウトをされても操作が追いつきません。

ボーカルの音量操作だけはなく他の楽器とのバランスもあるので、ゴテゴテのバンドサウンドを非力なファルセットで歌われるのは裏方で音響操作をするPAと呼ばれる方々にとってかなり非現実的で迷惑な話なのです。

かといって「語りよりも歌の方が大事だから」とむやみにマイクの音量を上げてしまうとハウリングを起こす可能性もあります。

せっかくのステージが耳障りなものになってしまわないように、今ファルセットで歌うべきかどうかきちんと状況を見極めて実行できる術を身につけていきたいですね。

ロックやパンクといった激しいノリのバンドにファルセットの歌い方をする人がいないのはこんな理由があったのね。

曲中の歌声は指揮者のような役割も果たしているから、歌声が埋もれると演奏しているバンドメンバーも困ってしまうんだよ。

低音発声は不向き

息漏れたっぷりのファルセットの状態から音程を緩やかに下げてみてください。

地声では出せていた低音域が、息漏れがあるファルセットの状態になると出せなくなることがお分かりいただけるかと思います。

音程が低い状態は声帯の振動数が減るので、振動という機動力が落ちると発声できない状態となってしまうのです。

私が持っている電池式のしゃべるおもちゃ、最近話し方がスローモーションになってきてちょっと怖いの。

電池がなくなってきて機動力が落ちてきたのかもね。電池切れして喋れなくなっちゃう前に電池交換しようね。

両方極めるとできる歌い方

それぞれの長所・短所がわかったところで、ここから先は上級者の方向けに、ファルセットとミックスボイスを極めて発展させていくとできるようになる楽しい歌い方をご紹介します。

上手に歌えるとそれだけでも楽しいけど、もっと面白い事ができるようになるの？

ミックスボイスやファルセットをマスターしたら「いつ、どこで、どんな歌い方をするか」を自由に選択できるようになるんだ。一例を紹介するよ。

ヨーデルにチャレンジ

ヨーデルという歌い方をご存知でしょうか。ヨーデルの起源は１６～１７世紀ごろと言われており、ヨーロッパのアルプス地方の牧草地で発達した歌唱法です。

地声と裏声を素早くこまめに切り替えるユニークな歌い方で、聴いてる人を陽気で明るい気分にしてくれますよ。

百聞は一見にしかず。電子タバコのCMでヨーデルを歌った事で話題になった北川桜さんが歌う「スイスの娘」をお聞きください。

ヨーデルって気分も明るくなるし、早口の練習にもなりそう。わーどんどん早くなっていく〜。

にこにこしながら口角を上げて歌うのも大事だよね。って、笑っていられないくらい早い〜。

多重人格録音をやってみよう

音を幾重にも重ねて収録する「多重録音」は聞いたことがある方もいらっしゃると思います。

その多重録音を更にグレードアップさせた録音方法が存在するのをご存知でしょうか。

巷では「多重人格録音」と呼ばれていて、あえて声色を変えてたくさんのパターンをレコーディングする事で、役者は一人なのにまるで大人数が歌に参加しているように聞こえさせる事ができるのです。

そんな多重人格録音の真骨頂とも言える歌い手さんが「赤飯」さんという男性の実力派シンガー。

森高千里さんのような８０年代アイドル風、大塚愛のようなキュートな声、JAM PLOJECTのような熱血な歌い方を披露したかと思えばデスボイスで頭を振りまくる。

例えるなら「声色のマジシャン」。いくつもの声色のパターンを歌で操ることができる魔法使いのような人物なのです。

この方が率いるバンド「オメでたい頭でなにより」は１曲の中にあらゆるジャンルを詰め込んおり、まるで今週のヒットチャートをメドレーで聴いているかのような曲調が持ち味。

正直、「この１曲聴いただけでかなりお腹いっぱい・・・。」と思った方も多いかと思います。

さすがに彼らほどの事はしなくてもいいので、１枚のアルバムの中に１曲でも違う歌い方をした曲が入るとアルバム全体の印象がガラリと変わるので、ミックスボイスとファルセットを習得した暁にはぜひ挑戦してみてくださいね。

この声、全部一人でやってるなんて衝撃的ね。

これが本当の意味での「劇団ひとり」・・・なんちゃって。

まとめ

いかがでしたか？ミックスボイスとファルセットの特徴や長所・短所をまとめてみましたがどちらが良いかは時と場合によるのが実態です。

もちろん聞く側の好みやその日の気分に左右される事もあると思います。

どんな状況下であってもその場にあった歌い方の選択ができるようになれたらとてもクールでカッコいいですよね。

ミックスボイスとファルセット、どちらも自在に操れる素敵なシンガーを目指して頑張りましょう。