どもー!シゲルでーすっ!
このサイトは高音発声(特にミックスボイス)について色々と情報提供していますよぉ!!
記事に関しては【茂解説】と【一般説】の2種類があり、コンセプトがちょこ〜っと違います。
【一般説】この世の中に発信された様々な情報から、信憑性の高い物を集約して記事にしていただいたというパターン。【茂解説】シゲルの経験から思ったことを好き放題言いまくるといったパターン。といった感じになっております。
どちらも面白いので是非ご覧くださーい!
低い地声から空まで舞い上がりそうな高音までをスムーズに繋げるミックスボイス。歌唱力アップを目指すにはとても重要なテクニックの一つですよね。
喉にある声帯の仕組みを利用することで力を込め過ぎなくても楽に歌えるため、身体へのダメージを軽減できたり、ヒョロヒョロ震えて頼りなくなってしまう高音の歌唱を力強いものに変えてくれる大きなメリットがあります。
カラオケや動画配信など、自信を持って人前で披露できるような歌唱力を身に付けたいとか、音の高さをいちいち気にせずに心から気持ちよく歌いたい、なんて方にはピッタリの技術ですよね。
そんな素晴らしい技術であるミックスボイスですが、素人が簡単に使いこなすのは至難のワザ。少しずつトレーニングを積んで、高音を歌う経験を身体に慣れさせていく必要があります。
この記事では、思い通りにミックスボイスを出すための発声トレーニングや、歌声を魅力的に磨くための体づくり情報をお伝えしていきますよ。
一緒に楽しみながらチャレンジしていきましょう!
ミックスボイスを鍛えるには?
理想的なミックスボイスを手に入れたいのであれば、やはり日頃の発声トレーニングと歌うための身体を作っていくことが必要です。何も練習せず無理やり高い歌声を出したところで、喉へのダメージは大きいし、身体はヘトヘトに疲れてしまいかねません。
よりすごい曲を歌ってみたいと思うなら、適度にリラックスして高音でもスッと出せるテクニックを鍛えた方が、歌う方と聴いている方どちらも心地良くいられますよね。
ここからは、あまりお金をかけず気軽に始められるトレーニング法をお伝えしていきますよ。
柔軟運動からスタート
高い音をより力強く聴かせるためのミックスボイス。どんどん喉に力を込めれば歌えるようになると考えがちですが、実はそうではありません。
歌は身体全体を使うスポーツのようなものなので、より素晴らしいプレイを行うためには全身をスムーズに正しく動かせるよう、緊張などで無駄に入り過ぎた力を抜く必要があるのです。
なんと、柔軟運動ではそれが叶います。硬くなった筋肉が柔らかくほぐされ、身体が軽くなったような心地を覚えますし、呼吸が深くなり声量を上げることも出来たり、高音を楽に出せる効果も少しずつ現れるようになりますよ。
1つの動きに20秒かけてじっくりとやってみましょう!
- 立ったまま肩幅に足を開いて深呼吸。鼻からたっぷり息を吸い込んで、口からゆっくりと吐き出す。おへその下、腰、お尻あたりを息で膨らますイメージで。
- 深呼吸のまま首をゆっくり左右それぞれ回すのを繰り返す。
- 両腕を上げ、上半身をゆっくり前に曲げたり後ろに反らしたりを繰り返し。
- 腕を下ろし、上半身を横にゆっくり曲げる。左右それぞれ曲げるのを繰り返す。
- 地べたに座り、足を閉じたまま前に投げ出す。息を吐きながら前屈し腰や太ももの裏を伸ばす。伸ばしたまま20秒。
- 閉じた足をパカッと開き、息を吐きながら左右それぞれに前屈。伸ばしたまま20秒。
もし痛みが出た場合や、身体が硬すぎて動かせない場合は無理をしない範囲で行いましょう。自分が出来そうなものだけをチョイスしてやってもOKですよ。少しずつ動ける範囲を広げましょうね。
また、この柔軟運動は気楽に出せる範囲であれば声を出したり、歌いながら行ってもOKです。発声練習を兼ねて行えば、歌うことを習慣にできる時間を徐々に増やしていけますよ。
この柔軟運動は歌だけではなく、日常生活でも効果を発揮します。身体が動かしやすくなるのでアクティブに行動しやすくなり、気分も晴れ晴れとしてきますよ!
『ポリバケツ』でお顔もほぐす
身体をほぐして程よく温まったところで、次は顔の表情筋を思いっきり動かすエクササイズをしてみましょう。ちょっとしたスキマ時間に、1日1回からでも大丈夫ですよ!
顔全体が表情豊かに柔らかく動かせるようになれば、口の中や喉の空間を確保しやすくなり、声の響きや息の流れなどを少しずつコントロール出来るようになります。プロ歌手の方々が歌っているのを拝見すると、よく顔を動かしているのが分かりますよね。
適度な脱力感のおかげで高いメロディーの曲でも歌声を軽く出しやすくなりますし、表情を付けることで表現力が身に付いたり、小顔効果も期待大。「これでもか!」と自分の限界を越えちゃいそうな力で動かしてみて下さいね。
ただし、途中で顔やアゴが痛くなってしまったらすぐに中断して、痛みが引くまでしっかり休憩しましょう。無理して頑張りすぎるのはNGですよ。
- 『ポ』 口だけではなく顔全体が縦に伸びていくイメージで。
- 『リ』 真横にビヨーンと伸ばすように。
- 『バ』 顔のあらゆる器官が360度にパカッと目いっぱい開くように。
- 『ケ』 『バ』と同じように思いっきり開く。
- 『ツ』 顔全部をギューッと真ん中(鼻の辺り)に寄せるように。
このエクササイズで思いっきり顔をほぐせるので、普段の生活や歌うときの表情づくりもスムーズに行えるようになりますよ。ぜひお試しを!
リップバブルで高音を出す準備を
『リップバブル』とは、唇を「う」の形にして突き出し、ぶるぶる震わせ続ける動きのことで、『リップロール』とも呼ばれます。子供の時に遊びでやっていた方もいらっしゃるかもしれませんね。
この『リップバブル』、大人でも簡単に出来ちゃいそうなのですが、息を吸い込む量や吐き出す流れをいかにコントロールするかを意識しないと、うまく震わせることが出来ません。
長く続けられるようになれば、ちょうど良いバランスで声と息を吐きだすことが出来るようになります。喉に程よい脱力感も得られるので、ミックスボイスを出すための体勢を作りやすくなる最高のトレーニングですよ。
- 口を閉じたまま、「う」の形で唇を軽くとがらせる(上下唇はくっつけたまま)。
- 「うー」と軽く声を出しながら唇をぶるぶる震わせる。
- その状態を出来るだけ長くキープしていく。
※やりにくい場合は両方のほっぺに手を添えて、口角を上げるようにグイっと引き上げながら震わせてみよう!
これをやってみて、唇を長い時間ぶるぶる震わせられたよ!という人は、お腹からしっかりとバランス良く息を吐き出せている証拠です。その調子でトレーニングを続けましょう。
もしなかなか上手くいかない場合は、以下のケースが当てはまるかもしれません。打開策もあわせてお伝えしていますのでチェックしてみて下さいね!
【唇が震えない、「ブシュブシュ」と息が漏れてしまう】
⇒唇自体に力が入り過ぎているか、口の中にある空気だけを吐き出している。口の力を抜いて、深く息を吸い込み、お腹の底から空気を吐くイメージを。
【お腹から息を吐いているのに長く続かない】
⇒出だしで吐く息が強すぎるかも。少しずつ、同じくらいの量を長くキープしながら吐くと続けやすくなる。
何度かやってみて問題なく続けられるようになってきたら、次はリップバブルしながら音楽に合わせて歌ってみましょう。ピアノなどの楽器で「ドレミ・・・」と音階を弾きながら歌ったり、いつか歌えるようになりたい憧れの楽曲に合わせて行っても良いですよ!
- 曲のメロディーに沿って低い地声からファルセット(裏声)までをリップバブルで歌う。高音部分に関しては、最初は決して無理をせずにファルセットで歌うこと。キレイに繋がるように歌えればOK。
- 歌い慣れてきたら、次は地声からファルセットに切り替わる音階の部分ですぐにファルセットに移らず、地声で乗り切るつもりで歌う。どうしても地声が厳しいようなら無理せずファルセットで歌うこと。
- この2つを繰り返しやってみる。喉が疲れてきたら休憩を忘れずに!
地声→ファルセットに切り替えたい所で、あえて移行せずに苦しい状態をリップバブルで続けることで、声を綺麗に繋げていく感覚を探っていく技術が身に付き、少しづつ音域が広がる体勢が整ってきます。つまり、唇をぶるぶる震わせる度にミックスボイスへ近づいているということ。
始めのうちはスムーズに繋げられず、声がガラッと変わってしまいますが心配はいりません。1日5分からでも気軽にやってみると、やがて自分の歌声が良い方向に変化していることを実感できるでしょう。
歌手の物まねで歌声を磨く
身体をほぐし、発声のウォーミングアップが済んだところで、物まねをしながら自分に合う高音発声を探り、歌声の個性をピッカピカに磨いていきますよ。
「そもそも誰の物まねをすれば良いの?」と疑問が浮かんだ方もいらっしゃるでしょう。そんな時はカラオケに行った時のことを思い出してみて下さい。
カラオケで歌うとき、私たちは無意識に原曲のアーティストの歌い方や声質に寄せてしまいがちです(個人差はありますが)。いくつも色んな曲を歌ってみて、「この歌手の曲だったら高音でも楽にイケる!」といった経験はありませんか?
その場合は、あなたの声と歌手の声の特徴が似ていて、相性が良いということ。つまり、楽に歌える歌手の物まねを研究すれば、あなたの歌声の個性に合った歌唱法で、効率的にミックスボイスを身に付けられるということになるのです。
もし、「まだ相性が良い歌手を見つけられてない・・・」という場合でも心配ありません。今から気長に探していけば大丈夫ですよ。
前フリが長くなっちゃいましたが、ここで物まねトレーニング法をご紹介しましょう。
- カラオケやサブスク音源などを活用し、曲に合わせて大げさにまねをしながら歌ってみる。高音が楽に歌える歌手が見つかるまで、様々な人に挑戦してみよう。
- 一人でも見つかれば、どんな歌い方をしているかよく耳を澄まして楽曲を何度も聴き込む(できればライブ音源・動画が望ましい)。音の一粒一粒に神経を研ぎ澄ませて。
- 歌手の再現が出来るようひたすら歌う。曲によって得意不得意が分かってきたら、得意な方をさらに歌い込んでいく。
歌声には力強く広がっていく声、鋭い存在感のある声、綺麗に澄み切った声、ハスキーで大人な雰囲気の声など様々なタイプがあります。一人でも相性の良い歌手を見つけたら、同じような歌声タイプにいる別の歌手に挑戦してみると、さらにあなたの歌声に磨きがかかりますよ。
さらにテクニックを伸ばしていきたいという上昇志向の方は、全く別の歌声タイプの歌手の物まねに挑んでみると、歌声に自由度が増して、あらゆるミックスボイスを思い通りに歌いこなせるようになるでしょう。
歌手の音源は最高の教科書です。とにかく良いテクニックを盗んでやる!くらいの気持ちでたくさん聴きまくり、さらには歌いまくって理想的なミックスボイスをモノにしましょうね。
この記事ではミックスボイスを使いこなして大活躍している日本人歌手の方々をご紹介しています。素晴らしい技術を持つ方ばかりなので、ぜひ物まねの参考にしてみて下さいね。
関連記事①:[一般説]ミックスボイスを使う日本の歌手は誰?高音発声を調査
また、こちらでもミックスボイスのトレーニングが載っていますよ。気軽に始められるものを厳選していますので、ぜひチャレンジしてみて下さいね。
関連記事②:[一般説]ミックスボイスは裏声?地声?初心者にもできる?高音発声を調査!
関連記事③:[一般説]カラオケでミックスボイスの練習はできる?高音発声を調査!
ミックスボイスに筋トレは必要?
ここまで、「理想的なミックスボイスを手に入れるには、歌うための身体づくりが重要」とお伝えしてきました。ということは、筋トレで身体を鍛えることも必要なのでは?とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは筆者なりの意見をお話しさせていただきますね。
ミックスボイスのために筋トレはしなくても良い
まずボーカリストとして活動歴のある筆者の経験から申し上げると、答えは以下の通りです。
ミックスボイスを使いこなせるようになるためには、腹筋や背筋トレーニングなど、特別に筋トレを行わなくても良い。
筋肉が必要ないということでは決してないですよ。しかし、筋トレで身体を鍛え上げることで、歌唱力に直接良い影響を及ぼすことはありません。
20分のトレーニングをするなら身体の筋肉をムキムキに鍛えるよりも、先述でご紹介したリップバブルや物まねを行う方がより分かりやすい形で結果を出せるんです。
人間は、置かれた環境によって身体を変化させられる生き物。発声練習や歌の研究を日頃から行えば、歌うという行為が徐々に習慣化していくので、喉にある声帯筋が歌うための働きを少しずつ身に付けていけるんですよ。
つまり、歌唱力を上げるために筋トレを行うのではなく、きちんと歌の練習を続ければいつの間にか正しく筋肉が鍛えられるということ。ハイレベルな楽曲を思い通りに歌える瞬間が少しずつ近づいてくるということになります。
プロ歌手には筋トレをしている人が沢山いるけど・・・
ここまでお読みになって、ミックスボイスを歌いこなすプロ歌手の方々の中でも筋トレをしている人は大勢いるのに・・・と矛盾を感じた方もいらっしゃるでしょう。例えばB’zの稲葉浩志さんや西川貴教さんなんかは見事なシックスパックが評判ですよね。
プロの方々はファンに見てもらうために美しい体を作るというのも大切な仕事ですし、年齢を重ねて身体が変わりゆく中で、長年に渡りハイレベルな技術をキープし続けることや、約2時間のステージを何日もやりこなすことも大きな仕事です。
ちょっと想像するだけでも、その凄まじさに圧倒されそうですよね・・・。いかに体力を消費するかを考えると、長い間活動を続けられるよう少しでも筋肉を身に付けて身体を強くし、めげないメンタルを育てていく必要がありそうです。
第一線で活躍する歌手を目指しているのなら、超人的な体力を身に付けるための筋トレは必要不可欠。しかしそうでないならば、まずは発声や歌のトレーニングを行うことに集中する方がより効率的だと言えるでしょう。
身体を鍛える方が良い場合もある?
前章でも触れたことですが、そもそも『歌う』という行為は、喉やお腹だけではなく身体全体を使うスポーツそのもの。ある程度大きな声量を出して、エネルギッシュに歌うのはストレス発散になってかなり気持ち良いですが、体力がなければぐったり疲れてしまいます。
筋トレはしなくても良いとお話ししました。しかし!現在よりさらに歌唱レベルを上げたくても、以下の条件に当てはまる人は基礎体力を上げるべく、身体も鍛えるのがベター。間接的ではありますが、歌唱するにも良い影響がありますよ。
綺麗なミックスボイスで歌いたいならチェックしてみましょう。
- 日常生活で身体を動かすことが少なく、運動不足。
- 少しの動作ですぐに疲れる。
- 身体を動かしながら歌うと声がブレたり、息切れしてしまう。
- 声量が少なく、大きな声を出しづらい。
- 肩や首、背中など上半身が凝って重苦しい。猫背持ち。
いかがでしたか?ひょっとしたら図星を指された方もいるかもしれませんね。ですが、もしかするとあなたが高音を思い通りに歌えないのは、今の身体の状態に原因があるかもしれません。
次章からは日常生活や歌の練習の合間に実践できるトレーニングをご紹介していきます。身体が変われば、きっと歌も変わりますよ!
歌声の魅力が上がる肉体トレーニング
この章では、自宅で気軽に進められるトレーニングをご紹介していきますよ。特別に道具を用意する必要はありません。身体さえあればいつでも実践可能ですのでご安心くださいね。
歌唱力を底上げしてミックスボイスを使いこなしたい方はもちろん、様々な事情からお家にこもりっぱなしで運動不足の方や、メンタルが落ち込んでいる方にもオススメです。きっと爽やかなリフレッシュ効果を実感できますよ!
『体幹』が重要なキーワード
『体幹(たいかん)』という言葉をご存じですか?健康を気にかけていらっしゃる方は耳にしたことがあるかもしれませんね。
『体幹』とは、胸・お腹・背中・腰の胴体部分のことを指す総称。この体幹の中に潜む筋肉が正しく機能することで、重たい頭部が支えられ、腹部が内側から引き締まって、真っ直ぐキレイな姿勢で保ち続けることが出来るんです。
しかし体幹の力が弱くなると、姿勢が崩れて猫背になり、肩こりや腰痛に悩まされ、お腹もポッコリ出てしまい、身体が不安定にブレて転びやすくなるなど悪いことのオンパレード・・・。
それに加え、本来であればスラスラと軽く出てくるはずの歌声も、崩れてしまった姿勢によってお腹に必要な力がかからず、非常に出しにくくなってしまいます。それではせっかくの魅力が半減しちゃいますよね。
理想的な体幹に近付くには、美しい姿勢を保つために重要な役割を持つインナーマッスル(深層筋)を鍛え、しっかりと太い芯の通った身体を作っていくことがとても大切。やがてボディーラインも美しく整ってきますよ!
まずはトレーニングの基本となる『ドローイン』から始めていきましょう。
ドローインは基本中の基本
『ドローイン』とは、数ある体幹トレーニングの中でも最もベーシックなもの。運動が苦手な初心者でも簡単に始められることや、呼吸が深くなるため、息のコントロールがスムーズになり、声量アップにもつながるなど良いこといっぱいの方法です。
『ドローイン』をやっていく上で特に意識したいのは、みぞおち~下腹部~わき腹にあるインナーマッスル腹横筋(ふくおうきん)。コルセットのように体幹をギュッと引き締める筋肉です。腹圧(お腹を内側からへこませる力)をかけ、鍛えていきましょう。
- 膝を立てて仰向けになる。腹式呼吸を意識して、鼻から息を吸い込みながら3秒かけてお腹を膨らます。この時、腰はぴったりと床にくっつけて反らさないように。
- 口を「う」の形にすぼめて、口からフーッと息を吐きながらお腹に力を入れ3秒かけてへこませる。おへそを背中にくっつけるようなイメージで。
- これ以上お腹をへこませられないというところまでへこませたら、その状態を保ちながら浅い呼吸を10秒続ける。
- ①②③の動きを1日に10回以上繰り返す。
もしも固いところに寝そべると腰が痛くなる方は、ヨガマットやバスタオルを敷いてもOKですし、あるいは椅子に座ったり、四つん這いの体勢でも効果があります。四つん這いの場合は、背中を折り曲げ過ぎor反り過ぎにならないよう注意してくださいね。
また、お腹の動きがイマイチ掴めない場合は、両手を軽くお腹の上に添えて呼吸すると、筋肉が上下する動きに意識を向けやすくなりますよ。
プランクで上半身を強化
『プランク(フロントブリッジ)』とは腕立て伏せのような体勢になり、背中や腰の位置を真っ直ぐに保ち続けることで上半身の体幹を鍛えていくトレーニングです。
運動が苦手な方でもOKなくらいシンプルな動きですが、想像以上にハードなのでちょっとだけ覚悟してくださいね。ただし、大変なだけ身体にもたらされるメリットは大きいですよ。
- 悪くなった姿勢を正しく矯正できる
- ポッコリお腹が引っ込み、美しいボディラインに
- 基礎体力が上がり、すぐに疲れにくくなる
- 簡単には壊れない柔軟でしなやかな筋肉を作ることが出来る
高木調査員のように素敵なイメージを膨らませたところで実践してみましょう!柔らかい布団の上だと不安定になって危険なので、なるべく床や畳の上で行ってくださいね。
- うつ伏せになって横たわり、両足をくっつけたまま伸ばしてリラックスする。
- 両方の腕を90度の角度で曲げて肩幅くらいに広げてから、ひじの力で上半身を起こす。この時ひじは肩の真下に来るように。
- つま先を起こし、お尻を肩の高さまで上げる。
- 肩からお尻まで一直線になるように高さを調節する。背中が丸まりすぎor反らしすぎはかえって身体を痛めるので注意!
- お腹に力を入れグッとへこませる。お尻もキュッと引き締めるように力を込める。
- その状態を体調やレベルに応じて5秒~1分キープし続ける。その間ゆっくりと呼吸することを忘れずに。
もしあまりにもキープし続けるのが難しい場合は、膝を床に付けて行ってもそれなりに効果を得られるので、そこから始めるのもアリですよ!その時は、膝から下は床からピッと浮かせ、肩~腰~お尻がほんのりゆるいカーブを描くように行ってくださいね。
また、ひじが痛くて続けていられない場合は座布団や折りたたんだバスタオルを敷いてもOK。出来るだけ無理なく、長く続けられるよう自分で工夫してみましょう。
ここで、プランクの運動効果をさらに活性化させるため、特に意識してほしい筋肉は以下の通りです。運動しながらイメージを描くだけで結果が上乗せされますよ!
- 多裂筋(たれつきん):背中の脊椎に沿っていくつも連なっている小さなインナーマッスル。背筋を伸ばし、直立する姿勢を助ける。
- 腹横筋(ふくおうきん):みぞおち~下腹部~わき腹に渡り、内臓を覆うインナーマッスル。鍛えればポッコリお腹に効く。
- 腹斜筋(ふくしゃきん):両わき腹にあり、ななめに走る筋肉。体幹を色んな方向へスムーズに折り曲げる動きに使われる。
- 腹直筋(ふくちょくきん):いわゆる腹筋。腹部前面にあるシックスパックのもと。
- 大殿筋(だいでんきん):お尻の大部分(尻もちのところ)を覆う筋肉。背中の下部から体幹を支える働きを持つ。
一見すると地味な動きのプランクですが、こんなに沢山の筋肉を目覚めさせられるという高いポテンシャルを秘めたトレーニングなんです。
かなりハードでくじけそうになることもありますが、体勢を保つ秒数を長くしたり、一日にやる回数を増やしたりなど、自分のペースで少しずつレベルを伸ばしていってくださいね。きつい高音の曲を何度歌っても、バテにくくなった身体にきっと驚くはずですよ。
四股スクワットでベストバランスな下半身を
上半身を鍛え上げたところで、それを支える下半身が弱いとケガをしてしまう恐れが生じてしまいます。そこでご提案したいのが『四股(しこ)スクワット』。身体の重要な土台となる足腰を強くし、安定してしなやかな身体と、ブレない歌声を手に入れましょう。
『四股』とは、相撲力士が行う基本的な動作の一つ。下半身の中でも特に股関節周りを柔軟にし、脚のインナーマッスルが強化され、歩く・走るなどあらゆる運動能力がグングン向上する効果があります。
その他にも、下半身を鍛えることで基礎代謝が上がってリンパが流れやすくなり、ダイエット効果も期待できるというメリット満載の嬉しいトレーニングなんですよ。
では、四股を取り入れたスクワットを早速実践してみましょう!
- 壁に背を向けて立つ。壁からは10センチほど離れておく。
- 左右の足を肩幅以上に、なるべく大きく広げる(無理のない範囲で)。
- つま先を100度~120度くらいの角度で外側に向ける
- 腰をゆっくりと膝の高さまで下ろしていく。両手は膝の上に添える。
- 背中からお尻まで真っ直ぐな姿勢で。膝はつま先と同じ角度に向けキープ。お腹は引っ込めて骨盤を起こすイメージで。
- 上半身はそのままに、3回軽く膝を曲げ伸ばしする。
- 3回曲げ伸ばしをしたら膝を伸ばしきって身体を引き上げる。この時お尻の穴をキュッと引き締める意識を。
- この動きを1日3回~5回繰り返す。
腰を深く沈めたときにお尻が壁にぶつかった場合は、フォームが間違っています。胸が前に突き出て腰が引けている状態なので、頭の上から真っ直ぐひもで吊られていると意識しながら修正していってくださいね。
また、太ももの内側がつったように痛むときは、深く腰を落とす前に何度か軽く膝を曲げ伸ばししながら、痛む場所をさすってみて下さい。動きに慣れてくると次第に痛みにくくなりますよ。そのあとは決して急がず、ゆっくりとスクワットを続けましょう。
このトレーニングで意識したいインナーマッスルは、腰と太ももを結び、足全体を引き上げる働きを持つ腸腰筋(ちょうようきん)と、骨盤を支え、太ももの動きを助ける大腰筋(だいようきん)。
これらが強くなって正しく機能することで、しっかりと安定して地面を踏みしめる強さと、キレのあるアクティブな動作を両立させることができるというわけです。
それから四股スクワットに慣れて余裕が出てきた方は、本格的な『四股踏み』にも挑戦してみましょう!
- 腰をゆっくりと膝まで落とすまではスクワットと同じ。
- 左側に体重を移動させ、上半身も左に傾けながら、右脚を天に向け高く上げて伸ばす。
- できる限り状態を保てたら、右脚を振り下ろし、地面を踏みしめる。
- 今度は反対の脚で。
- 1日に3回~5回繰り返す。
四股スクワットでも充分に効果が期待できますが、四股踏みの場合はスクワットよりも更にバランス感覚を強化することが可能に。自分の重心がどこにあるのかをきちんと意識する訓練にもなりますよ。
重心の場所や体重移動の流れをきちんと把握することで、安定感抜群の歌声を手に入れられます。重心が地面に深く根っこを張るイメージが掴めればきつそうな高音のメロディーも捉えやすくなるので、一度はお試しする価値あり!
まとめ
ここまで、ミックスボイスを思い通りに歌えるようになるためのトレーニングを様々にご紹介してきました。
体調によって肉体的なトレーニングが必須な方もそうでない方も、この記事がご自分の身体と歌に向き合うきっかけとなればとても嬉しいです。
柔軟でしなやかな肉体を持ち、適度にリラックスした状態で歌いこなせるようになるには時間を要しますが、あらゆる経験を積んだのちに発せられる歌声には、必ずその人だけの魅力が表れます。
価値観があわただしく揺れ動く忙しい毎日の中で、あなた自身や大切な誰かを強く励まし、心を優しく解きほぐす温かな力となってくれるはず。
決して焦らずに、ゆっくりとトレーニングを続けながら、歌う日々を楽しみましょう!