どもー!シゲルでーすっ!
このサイトは高音発声(特にミックスボイス)について色々と情報提供していますよぉ!!
記事に関しては【茂解説】と【一般説】の2種類があり、コンセプトがちょこ〜っと違います。
【一般説】この世の中に発信された様々な情報から、信憑性の高い物を集約して記事にしていただいたというパターン。【茂解説】シゲルの経験から思ったことを好き放題言いまくるといったパターン。といった感じになっております。
どちらも面白いので是非ご覧くださーい!
高音のメロディーがたくさん出てくる曲ってかっこ良いですよね。聴いていてとても気分が上がってワクワクしてきますし、「自分もこの曲を歌ってみたい!」とカラオケで挑戦したくなっちゃいます。
高音曲を歌うために重要なテクニックの一つが『ミックスボイス』。歌唱力レベルを上げるトレーニングでは必ずと言ってもいいほど目にするキーワードで、教則本やボイトレ動画など数多くの情報が溢れていますよね。
しかしこのミックスボイス、マスターするためのハードルがいくつもある上に、人によってはすぐに思い通りの結果を出せない可能性も。そんな切ない事実を知ってしまったとき、こんな言葉が頭をよぎる方も多いのではないでしょうか。
「ミックスボイスは才能がないと出来ないの?」
大きな疑問が浮かんでモヤモヤとしているあなた。この記事を読み進めながら、一緒に答えを見つけに行きましょう!
『才能』とは、どんなもの?
才能という言葉、「レベルが圧倒的に高い」とか「天然モノのとてつもなくすごい能力」みたいなニュアンスで普段なんとなく使っている言葉ですが、そもそもどんな意味があるのでしょう?
さい‐のう【才能】 の解説
物事を巧みになしうる生まれつきの能力。才知の働き。「音楽の才能に恵まれる」「才能を伸ばす」「豊かな才能がある」「才能教育」
引用元:goo国語辞書【才能】
引用文がちょっとだけ難しいので筆者なりに言い換えると、『才能』とは、生まれつき持っている身体の力と、今まで積んできた経験や学んだ知恵を上手く使いこなして、物事をやり遂げられる能力と言えそうですね。
言葉の意味についてお勉強したところで、次章からミックスボイスの才能について掘り下げていきますので、お楽しみに!
ミックスボイスに才能は必要?
何気なく歌えば弱々しくなりそうな高音でも、力強い声の太さをキープしながら、しかも楽に歌えるというミックスボイス。先ほども触れたように、理想的に使いこなすには少し難しいテクニックですが、才能は必要なのでしょうか?
その答えは・・・必要です!
「やっぱりね」とガッテン納得した方も、「マジかよ!」とショックで打ちのめされている方もひとまず落ち着いて、ミックスボイスの才能について解き明かしていきましょう。
才能があるのはどんな人?
どんな人がミックスボイスの才能を持っているのでしょうか?まずは考えられる要因をいくつか挙げてみます。前章で触れた『才能』の意味を思い出しながらご覧くださいね。
- 生まれつき持ち合わせている声帯が高音向き。
- 意識的に声をたくさん出したり、歌う機会に数多く恵まれている。
- 様々な種類の声色を次々に出すことが出来る(いろんな声や音のモノマネが得意)。
このように、生まれ持った身体の特徴や今まで生きてきた環境によって、自然と発声のコントロールを身に付けてきた人がミックスボイスの才能を秘めていると言えます。
特にボイトレをしていないのに高い声で楽に歌える、あるいはかなり短い期間に基本的な発声法を学んだだけで、飛躍的に高音域の歌声を出せるようになった人はいずれかに当てはまる可能性が高いでしょう。
これらの要因がどのようにミックスボイスに結びつくのか、ここからひとつひとつ解説していきますよ。
高音を出しやすい声帯を持っている
私たちが声を出すためにとても重要な働きをしてくれる声帯。喉仏の出っ張りあたり(赤い〇が付いている部分)にある器官のことです。
声帯は、しっとりとうるおう粘膜に守られた2つのヒダが門のように対になって並んでいて、声を出すときに呼吸によって行き来する空気の振動を受けて動くシステムとなっています。
ヒダがどのように動くのか、詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧ください。15秒ほどの動画ですが、生々しい映像なので苦手な方は注意してくださいね。
私たち皆が日常的にフル活用している声帯。大まかな形自体は人間みな共通しているものの、実はヒダの長さや厚さが人によって異なります。
また、それに加え声帯を動かす筋肉の性能にも絶妙な差があり、その差が声の高い低いに多大に影響してくるんです。
これらの細かな違いによって、私たちは人それぞれに個性ある声を発しているというわけですね。
では、高い声を発しやすい声帯とはどんなものなのでしょうか?
【ヒダが短いか薄い またはその両方】
生まれつき声帯のヒダが短い人、薄い人は高い声の持ち主である傾向が高く、一般的には骨格の小さい人にこの傾向が現れやすい。男性よりも女性、背の大きい人よりも低い人の方が高い声で発声するケースが多いのはこのため。
人間は呼吸によって空気が行き来させることで、2つ並んだ声帯ヒダを振動させ声を出していますが、高ければ高い音を発するほど、この振動が速くなるというシステムを持っています。
ヒダが短い、もしくは薄いということは声帯の質量が軽くなるということ。質量が少ないほど振動がスムーズになり、加速がしやすいので、より高い声を出せるという能力をすでに手に入れているということになります。
さらに、この声帯の特徴をミックスボイスへ活かすには、声帯の周りにある筋肉の働きがとっても大切。以下の2つの筋肉が特に重要な役割を持っています。
【輪状甲状筋(りんじょうこうじょうきん)】
高い音程を出すために声帯をゴムのように縦に引き伸ばす筋肉で、伸びるほどヒダの厚みが薄くなり高い声が出る。強く発達し、柔らかく動ける方がより高い音を出す力となる。
【甲状披裂筋(こうじょうひれつきん)】
リラックスした低い声を出すためにヒダ本来の分厚さを保つ筋肉で、発達すればハリのある低い音を出せる。歌う際、高音を出す度に伸びていく輪状甲状筋の動きに抵抗し、ヒダの状態を楽にするため元々の厚さに戻そうとする働きを持つ。
ミックスボイスが出ている時、私たちの喉の中では、声帯を伸ばし高い裏声へ移行したい輪状甲状筋と、声帯を縮め低い地声を保ちたい甲状披裂筋の間でせめぎ合いが起こっています。
よりレベルの高いミックスボイスを使うには、2つの筋肉の働きを生かしつつも、パワーバランスを少しずつ変化させる必要があります。つまり、地声に近い音程では甲状披裂筋、裏声に近い音程だと輪状甲状筋の力を強くしていかなければなりません。
ミックスボイスの才能を持つ人は、元々持っている声帯の特徴に加え、生活を送りながら声帯周りの筋肉の動きが非常に良く発達し、パワーバランスの調整が見事に出来ていると言えるのです。
次からは、生まれつきの声帯の形が高音向きかどうかに関わらず、発声する習慣を続けたことでミックスボイスの才能が芽生えるケースをご紹介しますよ。
ちなみに、以下2つの記事でも声帯について詳しくお話ししています。こちらでは人体の成長と高音の関係性や、よりハイレベルな高音を出すためのテクニックを、図解を使って分かりやすくお伝えしている記事となっていますよ。
関連記事①:[一般説]高音の出し方で歌が上手くなるって本当?ミックスボイスを調査
こちらはミックスボイスに重要な声帯閉鎖についてもお伝えしています。ぜひどちらも気軽に読んでみて下さいね。
関連記事②:[一般説]ミックスボイスを使う日本の歌手は誰?高音発声を調査
声を出す機会に恵まれている
声を出す機会というのは、歌だけに限りません。例えば学生時代の部活動、特に運動部は仲間に対して大きな声で合図を出したり応援を送るなど、とにかく声出しが重要ですよね。
歌うことで言えば小さい頃から合唱部に所属したり、歌唱コンテストに出てみたり、とにかく歌が好きでカラオケやお風呂で定期的に歌ってきたという場合もあるでしょう。
このように子供の頃から声をたくさん出す状況に身を置くことで、声帯周りの筋肉が長い時間をかけ少しずつ発達します。
さらに、発達が進むにつれてお腹から声を出す習慣が身に付くことにより、発声の才能が育っていくというケースもあります。
ただし、これらの機会にたくさん恵まれてきた人の中でも理想的なミックスボイスの才能へ大きく繋げられるのは、数多くの経験を重ねて『発声の勘』が研ぎ澄まされている人です。
発声の勘とは、どんな時に声を使えば相手へ効果的に伝わるのか、どのように息や声量を調整すれば音程をスムーズに変えやすいか、いかに脱力して喉へのダメージを抑えるかを直感的に判断する力のこと。
あらゆる失敗と成功をたくさん重ねて鋭く磨いてきた勘と、それに応じて見事に発達してきた筋肉は、裏声と地声のバランスを違和感なく調整し、身体をリラックスしながらメロディーを綺麗に紡いでいくミックスボイスへ思う存分に活かされます。
才能を掴んでいる人は、自分のあらゆることに向き合う瞬間を大切にし、しっかりミックスボイスに応用することで、魅力的な歌声に繋げているのです。
いろんな種類の声を出せる
例えば声優さんや物まね芸人さんのように、キーンと高い声からどっしり低い声まで彩り豊かに声をどんどん出せるって人いますよね。感情やTPOによって声の雰囲気がガラッと変わる人や、様々な人や物の声まね・音まねが得意という人もいます。
先ほどお伝えしたことと同じように、この場合も時間をかけて筋肉が発達していて、かつ発声の勘も鍛えられているため、ミックスボイスの才能を秘めている可能性が高いと言えるでしょう。
さらに、このケースで特に優れているのは声を変化させる『瞬発力』。高音を出す輪状甲状筋と、低音を維持する甲状披裂筋を柔らかく動かせる能力が自然と磨かれているからこそ、何種類もの声を色とりどりに操れるんです。
ミックスボイスはもちろんのこと、歌うことそのものにとっても役立つ能力。楽曲の中でどんどん変わっていく音程やテンポ、表現するための声量調整や息の使い方、感情の乗せ方などあらゆる面でうまく対応できる強みがある。
勘を養うことと同じように、あらゆる失敗と成功を重ねながら自分の引き出しを増やし、最良のものを示すテクニックを見極めてきたからこそ、心を震わせるような歌声を瞬時に開放できるのです。
『才能が無い』から抜け出すヒントは?
ミックスボイスの才能を持つ人にはどんなことが根っこにあるのか、ということを筆者なりにお伝えしてきました。羨ましくなるような能力ばかりでしたね。
しかし、才能に恵まれ、力を活かしきれているのはごく限られた人だけ。高音を思い通りに歌えない現実にぶち当たり、「ミックスボイスの才能なんて自分には無いかも・・・」という苦しみを抱えている人の方が圧倒的に多いはずです。
ミックスボイスを克服し、苦しみから抜け出すためにはどういったことを心がければ良いのでしょうか。すでにトレーニングを始めている人は現在の方法を見直しながら、まだ何もしてないよという人はこれからの参考にしてみて下さいね。
自分の歌声を研究しよう
才能の有り無しに関係なく、ミックスボイスをマスターしたいと情熱が燃えているのならば、やはりボイストレーニングは欠かせません。
まずは歌うときの地声・裏声の基本的な発声を掴むことがミックスボイス上達への一歩だからです。
関連記事③:[一般説]ミックスボイスは裏声?地声?初心者にもできる?高音発声を調査!
きれいに歌声を発する体勢をつくり、その状態を身体にしっかりと慣れさせ、歌に触れる時間を増やすことで、必ず歌声に魅力的な変化が表れるはず・・・ですが、あらゆるボイトレ情報が溢れている今、どの情報を信じて何から始めればいいのやら。
そこで、ぜひ意識を向けてほしいのが『自分自身の歌声』です。どんな声質を持っているのか、どのくらいの音域を楽に歌えるのかなどを最初に深く研究することで、自分にぴったりフィットする方法を選べ、効率的にトレーニングを進めやすくなります。
具体的にはどのように探っていけば良いのでしょうか。サラッとまとめてみますね。
- 様々な歌手を完コピする勢いで物まねしながら歌い、高音を楽に出せた歌手をピックアップし、曲を歌い込んでいく。
- スマホやレコーダーなどを使って真剣に歌った声を録音して聴いてみる。
- お金や時間に余裕がある、あるいは独学じゃどうにもならんと行き詰っている人はプロのボイストレーナーのもとへ通ってみる。
これらに共通するのは自分の歌声を客観的に知ること。最初はあまりの現状にがっかりして耳をふさぎたくなる可能性が高いですが、イマイチなところを気にし過ぎると永遠にネガティブループにハマりっぱなしになるので注意してくださいね。
我ながら優れているところ、自分がお客さんだったら歌を聴いてどんなところが素敵と思うかなど、研究中に「私やるじゃん!すごい!」とちょっとでも感じたらメモで記録し続けていくと、成長が分かりやすくなりモチベーションアップに繋がりますよ。
ちなみに、こちらの記事では物まねを使ったトレーニングについて詳しくお伝えしています。歌うための強い身体を作っていく方法も載せていますので、リフレッシュがてら気軽にご覧下さいね。
関連記事④:[一般説]ミックスボイスを鍛える方法は?筋トレは必要?高音発声を調査
ミックスボイスにこだわらない
こだわらないというのは決して練習をしないというわけではなく、ミックスボイスに対する考え方をちょっとだけ柔らかくほぐしてみませんか、というご提案です。
「ミックスボイスを使いこなして常人離れした高い音を歌う=めちゃめちゃレベル高い」というのはまぎれもない事実。普通には出せない音程を力強くスラスラと歌えるのですから、音楽の勉強をさほどしていなくても単純明快にすごさが理解できますよね。
単純明快だからこそ、歌手のように歌って誰かに褒められたいとか、自分に酔いしれたいなど理由は何であれ、テクニックを手に入れたいと大勢の人が望んでいるもの。
しかし、理想と現実の大きすぎるギャップを突きつけられ、悩みに飲み込まれたり、最初からあきらめてしまうことも多々ありますよね。そこで筆者がお伝えしたいことがあります。
ミックスボイスはあくまで数多くあるテクニックのひとつであり、「高い音を出せる=歌が上手い」とは必ず言い切れない。
ミックスボイスはあくまで発声のテクニックです。完璧にやりこなせば素晴らしいのは確かなのですが、声をただ出すだけでは魅力的に歌えているとは言えません。
歌はミックスボイスだけではなく裏声・地声の発声、音程の取り方、抑揚、息遣い、声質の変化、感情表現、リズム感などあらゆるテクニックが複雑に絡み合ってこそ感動を呼び起こすものなんです。
ひとつのことに集中し過ぎて周りが見えなくなってしまうことってよくありますよね。「いくら練習しても上手くいかない、自分にはやっぱり才能が無いんだ」と不安で行き詰ったとき、一旦こだわりは頭の片隅に置いて、歌の全体を見渡してみましょう。
そして、苦しいことからちょっと距離を置いて別のものに挑戦してみると、そこに得意なことが見つかり、いつの間にか悩みをカバーしてくれることもあります。
ミックスボイスという大きな壁にぶつかったら、自分の歌声を研究してどんなところが素敵だと思えるか、どうすればもっと魅力を溢れさせることが出来るか、とポジティブな方向へ舵を切ってみると、壁を壊すヒントが見つかるかもしれませんよ。
こちらの記事では、ミックスボイスではない他のアプローチ法を活用し、華々しい活躍をみせている日本人歌手をご紹介しています。独特で美しい歌世界に浸ってみて下さいね。
関連記事⑤:[一般説]ミックスボイスを使わない日本の歌手は?高音発声を調査
才能の種を皆が持っている
私たちは皆、あらゆる才能の種を持っています。もちろんミックスボイスの種も。生まれつき持った身体の特徴や性格、過ごしてきた環境によって、種の形や育てやすさにそれぞれ違いはありますが・・・。
先述で才能がある人とはどんな人かとお伝えしましたね。彼らは種を持っていることにいち早く気付き、世界に一つだけの美しい花を咲かせるために清らかな水をやり、栄養たっぷりの肥料を与え、愛情込めて育て上げてきた人なのです。
つまり、ゴールを見定め、自分に合ったクオリティの高い練習や研究を積み上げ、自分の特性をうまく活かせるようになって初めて『才能がある』という結果が付いてくるということ。
結果が出るまでの時間に差はあれども、才能がある人には必ずと言っていいほど種を育ててきた実績が背後にあります。全く何もせずに輝く才能はめったに無いのですよ。
才能という言葉はあまりにも大きく、思考を止めてしまう魔力があります。計り知れない能力に対して、「あの人には天然ミックスボイスの才能があるからできるんだ」と、相手のバックボーンを深く考えず簡単に片付けて見なかったことにしてしまえるのです。
種は誰だって持っていて、自分次第でいかようにも育てられます。それに気づけば、サッサと目の前から片付けて知らないふりを続けるのはもう違う、と感じて頂けるのではないでしょうか。
今から理想的なミックスボイスを手に入れるためには数分あればOKかもしれないし、何年もかかってしまうかもしれません。ミックスボイスの種をちゃんと育てられなくても、別の種が大きく育つ可能性だってあります。
魔力に惑わされることなく、出来ることから少しずつ始めていけば、きっと綺麗な花が咲いて、蜜がいっぱい詰まった実がたわわに実るはず。きっと魅力あふれる歌声で誰かの心を震わせていることでしょう。
まとめ
ここまで記事を読み進めて下さってありがとうございます。ミックスボイスと才能の間にある関係について様々お伝えしてきましたが、いかがでしたか?
才能ってとてつもなく大きな壁で、自分の力だけでは到底かなわないラスボスのように思えます。すでに才能を発揮して大活躍している人を見ると、羨ましいのと同時に自分のふがいなさにへこむなんてこと、しょっちゅうありますよね。
ですが、才能はラスボスではありません。最初は真っ黒で濃いモヤがかかって正体不明かもしれません。
有意義な冒険(トレーニング)を続けるうちに次第に姿かたちが分かり、いつの間にか共に戦う仲間になってくれるのです。そう考えると、才能に対するイメージが少し軽くなる感じがしませんか。
この記事を読んでくださったあなたに、いつか歌ってみたいと憧れる曲を思いっきり高らかに歌える瞬間がやってきますように。